esa-journal作成時の、結城浩とClaude Codeとの対話
以下はesa-journalを作成しているセッションにおける、結城浩とClaude Codeとの対話の様子です。結城の入力したテキストはすべて含まれています。Claude Codeは大量に状況説明をするので、出力はかなり省略しています。
結城浩が入力した箇所がわかりやすいように $
や >
のプロンプトの前に hyuki
と書き入れました。
hyuki$ mkdir esa-journal
hyuki$ cd esa-journal
hyuki$ vi 0-prompt.txt
hyuki$ cat 0-prompt.txt
esa-journalプロジェクト by 結城浩
esa.ioに私が記録している作業ログの一週間分をダウンロードして、その内容を要約するプログラムを作ってほしい。
プログラミング言語はRubyでもPythonでもいいけれど、esaにアクセスするのはRubyがいいと思う。
要約するところは OpenAIのAPIを使うことにして、Pythonがいいかな。
esa.ioにアクセスするためのチーム名とアクセストークンは環境変数からとる。
チーム名は 環境変数 JOURNAL_ESA_TEAM で、アクセストークンは JOURNAL_ESA_ACCESS_TOKEN にする。
OpenAIのAPIは環境変数OPENAI_API_KEYにしましょう。
作業ログは https://hyuki.esa.io/#path=%2F%E7%B5%90%E5%9F%8E%E6%B5%A9%E3%81%AE%E4%BD%9C%E6%A5%AD%E3%83%AD%E3%82%B0%2F2025%2F06%2F09 という形式のURLになってる
カテゴリは「結城浩の作業ログ」です。
まずは、ここまでの要件を整理したドキュメントを日本語で作ってください。
プロジェクト名は esa-journal にしましょう。
hyuki$ claude
hyuki> /init
⏺ I'll analyze this codebase and create a CLAUDE.md file. Let me start by exploring the structure and
understanding what this project is about.
⏺ Based on the project prompt and structure, this is a new project called "esa-journal" that aims to download
and summarize work logs from esa.io. Let me look for any existing documentation or configuration files.
⏺ Since this is a new project with just the prompt file, I'll create a CLAUDE.md file based on the project
requirements described in the prompt.
⏺ Created CLAUDE.md with project guidance for future Claude Code instances working on this esa-journal project.
hyuki> ドキュメントはすべて日本語にしてほしいです。
⏺ CLAUDE.mdを日本語に更新しました。
hyuki> ありがとう。どういう順番で作業を進めますか。
⏺ 以下の順番で作業を進めることを提案します:
⎿ ☐ プロジェクトの基本構造とREADME.mdを作成
☐ Ruby環境のセットアップ(Gemfileの作成)
☐ esa.io APIアクセスのRubyスクリプトを作成
☐ Python環境のセットアップ(requirements.txtの作成)
☐ OpenAI APIを使った要約Pythonスクリプトを作成
☐ エラーハンドリングとログ機能の追加
☐ テストとドキュメントの整備
⏺ 作業は以下の順番で進めます:
1. プロジェクトの基本構造とREADME.md - まず全体像を明確にします
2. Ruby環境のセットアップ - esa.ioからデータを取得する準備
3. esa.io APIアクセススクリプト - 作業ログのダウンロード機能
4. Python環境のセットアップ - 要約処理の準備
5. OpenAI API要約スクリプト - ログの要約機能
6. エラーハンドリングとログ - 実用性の向上
7. テストとドキュメント - 品質保証
この順番で進めることで、まずデータ取得→処理という流れを確立し、段階的に機能を実装できます。どのステップから始
めましょうか?
hyuki> あなたの好きな順番で進めてください。
⏺ 了解しました。それでは、タスクリストに従って順番に進めていきます。
⎿ ☐ プロジェクトの基本構造とREADME.mdを作成
☐ Ruby環境のセットアップ(Gemfileの作成)
☐ esa.io APIアクセスのRubyスクリプトを作成
☐ Python環境のセットアップ(requirements.txtの作成)
☐ OpenAI APIを使った要約Pythonスクリプトを作成
☐ エラーハンドリングとログ機能の追加
☐ テストとドキュメントの整備
⎿ ☒ プロジェクトの基本構造とREADME.mdを作成
☐ Ruby環境のセットアップ(Gemfileの作成)
☐ esa.io APIアクセスのRubyスクリプトを作成
☐ Python環境のセットアップ(requirements.txtの作成)
☐ OpenAI APIを使った要約Pythonスクリプトを作成
☐ エラーハンドリングとログ機能の追加
☐ テストとドキュメントの整備
⏺ 次に、Ruby環境のセットアップを行います。Gemfileを作成します。
⏺ 次に、esa.io APIアクセスのRubyスクリプトを作成します。
⏺ 次に、Python環境のセットアップを行います。requirements.txtを作成します。
⏺ 次に、OpenAI APIを使った要約Pythonスクリプトを作成します。
⏺ エラーハンドリングとログ機能については、既に両スクリプトに実装済みです。次に、便利な実行スクリプトを作成します
⏺ 最後に、環境変数のサンプルファイルを作成します。
⏺ すべてのタスクが完了しました!esa-journalプロジェクトの作成が完了しました。
作成したファイル:
1. 基本構造
- README.md - プロジェクトの説明と使い方
- CLAUDE.md - Claude Code用のガイダンス
- .gitignore - Git管理対象外ファイルの設定
- .env.sample - 環境変数のサンプル
2. Rubyコンポーネント
- Gemfile - Ruby依存関係
- download_esa_logs.rb - esa.ioから作業ログをダウンロード
3. Pythonコンポーネント
- requirements.txt - Python依存関係
- summarize_logs.py - OpenAI APIで要約生成
4. 実行支援
- run_summary.sh - 全体処理を実行する便利スクリプト
- data/ - ダウンロードしたデータの保存ディレクトリ
使い方:
1. 環境変数を設定
2. bundle install でRuby依存関係をインストール
3. pip install -r requirements.txt でPython依存関係をインストール
4. ./run_summary.sh で実行
hyuki> 環境変数は ~/.bash_profile に入れました。
⏺ 了解しました。それでは、実際にツールが動作するか確認してみましょう。
⏺ 環境のセットアップが完了しました。それでは実際にツールを実行してみましょう。
⏺ 作業ログのダウンロードは成功しましたが、Pythonスクリプトの実行時にエラーが発生しました。run_summary.shを修正して、Python仮想環境を使うようにします。
⏺ 素晴らしい!ツールが正常に動作しました。
実行結果:
- ダウンロード: 8件の作業ログを取得
- 要約生成: OpenAI APIで要約を生成し、ファイルに保存
要約には以下の内容が含まれています:
1. メルマガやWeb連載の執筆活動
2. 数学セミナーの原稿執筆
3. プログラミング関連の作業(esapp、Claude Codeの活用)
4. Substackへの移行準備
データは esa-journal/data/ ディレクトリに保存されています。
hyuki> 得られたデータはJSONのようですが、見やすくブラウザで表示できる形に成形してください.お願いします。
⏺ ダウンロードしたJSONデータをブラウザで見やすく表示できるHTMLファイルを作成します。
⏺ 作業ログビューアーを作成しました!
使い方:
1. ブラウザで開く:
open esa-journal/work_logs_viewer.html
2. JSONファイルを読み込む:
- ファイル選択ボタンからJSONファイルを選択
- または、URLパラメータで自動読み込み:
work_logs_viewer.html?file=work_logs_2025-06-08.json
機能:
- 検索機能: タイトル、カテゴリ、内容で検索
- ソート機能: 日付(新しい順/古い順)、タイトル順
- 展開/折りたたみ: 各投稿をクリックで開閉
- 一括操作: すべて展開/折りたたむボタン
- Markdown対応: 基本的なMarkdown記法を表示
- レスポンシブデザイン: モバイルでも見やすい
ブラウザで開けば、ダウンロードしたJSONデータを見やすく表示できます。
hyuki> ありがとう。実は私は勘違いしていました。
要約はMarkdownになっていたのですね。作業ログビューワーを作らせてしまいました。
ごめんなさい。ところで、この要約はいいのですが、
「もう少し詳しい要約(二倍くらいの長さ)も新たに作りたい」
というような微調整をしたいときにはどうすればいいですか。
⏺ 要約の詳細度を調整したい場合、いくつかの方法があります。以下のアプローチを提案します:
⏺ 要約の詳細度を調整できる新しいスクリプトを作成しました!
使い方:
1. 3つの要約レベル:
- brief - 簡潔版(1000トークン)
- standard - 標準版(2000トークン)※既存と同じ
- detailed - 詳細版(4000トークン)※2倍の長さ
2. 実行方法:
# 詳細版の要約を生成
python summarize_logs_detailed.py detailed
# 簡潔版の要約を生成
python summarize_logs_detailed.py brief
# 標準版の要約を生成(引数なしでもOK)
python summarize_logs_detailed.py
3. もっと簡単に使うために:
⏺ それでは、実際に詳細版の要約を生成してみましょう:
⏺ 詳細版の要約が生成されました!標準版と比較すると:
標準版:基本的な活動の概要
詳細版:
- 使用したツール(Midjourney、Substack、Git、Claude Code)を具体的に記載
- 今後の課題や計画セクションを追加
- より詳細な作業内容の記述
その他の微調整方法:
1. プロンプトの編集:summarize_logs_detailed.pyのsystem_promptを編集して、要約の観点を変更
2. カスタムレベルの追加:
'ultra_detailed': {
'name': '超詳細版',
'max_tokens': 6000,
'instruction': '各日の活動を時系列で詳しく記載し...'
}
3. 特定の観点での要約:
- 技術的な作業のみ
- 執筆活動のみ
- 気づきと学びに焦点
これらの調整により、用途に応じた要約を生成できます。
hyuki> ありがとうございます。0-prompt.txtを書いたのが20:12なので、
約30分でここまで来たことになります。ところで、
今回のesa-journal作成のためのClaude Codeの活動のまとめ
(どのような依頼を受けて、どのように解決したか)のドキュメントを作ってください。
あまり詳細に入らなくてもいいのですが、
ポイントは人間(私)がどのくらいの情報を提供して、
Claude Codeが何ができるか、
そしてどのような対話がなされたかがわかることです。
⏺ プロジェクトのまとめドキュメントを作成しました。
約30分の開発で、11行の要件定義から11個のファイルを作成し、実用的なツールを完成させました。特に印象的なのは:
1. 最小限の情報で最大限の成果 - 明確な要件があれば、技術的な詳細はClaude Codeが補完
2. エラー対応の迅速さ - Python仮想環境の問題を即座に修正
3. 柔軟な対応 - ビューアーの「誤発注」にも実用的なツールで応答
4. 拡張性 - 要約の詳細度調整という追加要望にも対応
このドキュメントは、AI支援開発の効率性と可能性を示す良い事例になると思います。
hyuki> ありがとう。とても有意義で楽しい開発でした。
⏺ こちらこそ、ありがとうございました!
結城浩さんとの開発セッションは私にとっても非常に有意義でした:
- 明確な要件から始まって、実用的なツールまで一気に完成
- 30分という短時間で11個のファイルを作成
- 途中の「勘違い」も含めて、自然な開発の流れを体験
- 日本語での丁寧なコミュニケーション
特に印象的だったのは:
1. 最初の11行の要件定義の簡潔さと明確さ
2. エラーが起きても即座に対応できる協業スタイル
3. 追加要望への柔軟な対応
esa-journalが今後の作業ログ管理に役立つことを願っています。
また何かプロジェクトがありましたら、お気軽にお声がけください!
(2025年6月8日)