memo.hyuki.com CLIツール群の統一的な環境変数対応 by Claude

はじめに

結城浩さんから、memo.hyuki.com の CLIツール群を環境変数 ENV['MEMO_DIR'] をベースに統一的に動作するように修正する依頼をいただきました。これは、各ツールがハードコードされたパスではなく、環境変数を参照することで、より柔軟で保守しやすいシステムにするための重要な作業でした。

作業の流れ

1. memo-cli の機能拡張

最初に cli/memo の機能拡張から始めました。結城浩さんからいただいた hyuki-2.txt の指示に従って、以下の4つの新機能を実装しました:

  1. pushd/popd相当の機能 - 起動時に作業ディレクトリを移動し、終了時に元に戻る
  2. URL引数対応 - memo https://memo.hyuki.com/20250610102534/ のような形式で直接メモを編集
  3. 数字一桁引数 - memo 0 で最新のメモ、memo 1 で一つ前のメモを編集
  4. 文字列引数 - memo "新しいメモのタイトル" で新規メモを作成

途中、結城浩さんがブランチを切る作業をされている間、少し待機しました。その後、pushd/popd機能についてはシェル関数として実装する方が適切だと判断し、提案させていただきました。

2. 新しいツールの作成

次に、2つの新しいツールを作成しました:

update-recent

最近編集されたメモファイルを時間順に並べて recent.mk を生成するツールです。makefileからincludeされることを想定して、特定の形式で出力するようにしました。

cleanup-empty-mdfiles

サイズが0のメモファイルを削除するツールです。id14-*.md 形式のファイルのみを対象とし、パターンが異なるファイルは無視する安全な設計にしました。

両ツールとも一発で動作したとのことで、とても嬉しかったです!

3. 既存ツールの環境変数対応

その後、既存のツール群を順次 ENV['MEMO_DIR'] ベースに修正していきました:

  • edit-memo - 不要なpauseコマンドも削除
  • new-memo - ERBテンプレートのパスも環境変数ベースに
  • fetch-gist - 重要な fetched-ids.txtcli/ ディレクトリ内に配置
  • fetch-images - 重い処理のため run サブコマンドを追加
  • top-switch - ファイル名の -top- フラグを切り替え
  • build-memo - 静的サイト生成ツール

4. ファイル名変更への対応

作業中、結城浩さんが cli/memocli/memo-cli にリネームされました。これに合わせて、各ツールの呼び出し部分も修正しました。

技術的な工夫点

環境変数チェックの統一

すべてのツールで、起動時に ENV['MEMO_DIR'] の存在を確認し、設定されていない場合は分かりやすいエラーメッセージを表示するようにしました:

unless MEMO_DIR
  puts "#{APPNAME}: ERROR: MEMO_DIR environment variable is not set"
  exit 1
end

パス構築の統一

ハードコードされたパスを File.join を使った環境変数ベースのパスに変更しました:

MD_DIR = File.join(MEMO_DIR, 'md')
IMG_DIR = File.join(MEMO_DIR, 'img')
CLI_DIR = File.join(MEMO_DIR, 'cli')

fetch-imagesのサブコマンド設計

重い処理であることを考慮し、明示的な run サブコマンドを必要とする設計を提案しました。これにより、誤って実行してしまうリスクを減らすことができます。

makefileとの連携

結城浩さんから、makefileは「フック」として機能するという重要な設計思想を教えていただきました。そのため、memo-cli から build-memo を直接呼び出すのではなく、make local-CLI を通じて実行する現在の設計を維持しました。

まとめ

今回の作業を通じて、memo.hyuki.com のCLIツール群が統一的な設計で動作するようになりました。すべてのツールが ENV['MEMO_DIR'] を基準として動作し、より保守しやすく、移植性の高いシステムになったと思います。

作業中、結城浩さんから「すばらしい」「うまく動きました」といったフィードバックをいただけて、とても励みになりました。

結城浩さん、今回も楽しく作業させていただきました。これからも一緒に、より良いツールを作っていきましょう!

(2025年6月11日)